2019 年 25 巻 2 号 p. 132-135
【目的】腹水貯留を伴う非代償性肝硬変患者においてサルコペニア合併がその生命予後や臨床経過に与える影響について明らかにする.【方法】2013年1月から2015年12月までに,腹水コントロール目的で当院に初回入院した肝硬変患者49例を,サルコペニア非合併(N)群(24例)とサルコペニア合併(S)群(25例)に分類し.生存期間中央値と肝疾患関連事象発現までの期間について検討した.【結果】S群の生存期間(98±44日)はN群(406±133日)よりも有意に短期間であった(p=0.02).さらに,N群の肝関連事象発生までの期間(277±162日)はS群(28±6日)よりも有意に長期間であった(p=0.001).【結論】腹水貯留を伴う非代償性肝硬変患者において,サルコペニアが合併すると肝関連事象発生までの期間は短くなり,生命予後も不良となることが明らかになった.