日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法・結紮術同時併用療法
-その手技と評価-
西川 芳之細川 鎮史土井 俊彦神野 健二
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1997 年 3 巻 2 号 p. 163-166

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抄録
内視鏡的硬化療法 (EIS) 時に透視下で5%EOIを静脈瘤内に注入後, 穿刺したままその針穴を含めて結紮術 (EVLI) を行う, EIS・EVL同時併用療法 (EISL) を74例に施行し, 平均施行回数は2.1回, 平均所要時間は11.5分/1回, 硬化剤の総使用量は9.1mlと, 良好な成績を得た.またEISとの無作為比較試験を行ったところ, EIS群はこれらの項目すべてにおいてEISL群の2倍近くを要し有意差を認めた.本法は, 抜針後の出血対策と静脈瘤血流の遮断を目的としているが, 今後EISの改良法として確立しうる手技と考えられた.さらに, 再発に重要な因子としてCoxの比例ハザードモデルにより選択された血管内注入率 (血管内注入量/総注入量) により2群に分け, 再発までの期間をKaplan-Meier法にて検討すると, 十分に血管内注入できた群では再発が少なく (p=0.026), この点でEVL単独に比し有用と思われた.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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