日本門脈圧亢進症学会雑誌
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B-RTOを施行し得た門脈左枝を供血路とした胃穹窿部静脈瘤の一例
熊本 正史於保 和彦葉 亮聡森田 幸彦坂本 慶博境 研二宮本 安尚佐田 通夫豊永 純
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2003 年 9 巻 3 号 p. 156-160

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抄録
症例は55歳, 男性.HCV陽性肝硬変症にて通院加療中.上部消化管内視鏡検査にてLg-f, F3, RC (+) の胃静脈瘤および腹部CT上著明な門脈-大循環短絡路を指摘され精査加療目的に当院紹介入院.血行動態把握のため腹部CTと血管造影を施行.結果, 門脈左枝より分岐した血管が肝下面を走行し, 胃壁を貫通, 胃穹窿部静脈瘤を形成した後, 左腎静脈へと流出しておりバルーン下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) 可能と判断した.シャント径が巨大なため48時間留置とし総5%EOI注入量48.0mlによりB-RTOに成功, 術後胃静脈瘤は消失した.一般的に, 胃穹窿部静脈瘤の主要供血路は後胃静脈, 短胃静脈あるいは左胃静脈であり90%以上に脾腎短絡路が存在する.今回われわれは, 門脈左枝が供血路であり, 左腎静脈に排血する巨大な門脈-大循環短絡路を形成した胃穹窿部静脈瘤に対しB-RTOで加療し得た稀な症例を経験したので報告した.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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