2023 年 60 巻 3 号 p. 260-265
CD19陽性再発・難治B細胞性急性リンパ性白血病に対する治療選択肢にブリナツモマブ(BLIN)がある.BLINの有用性と安全性について小児・若年成人10例の後方視的検討を行った.対象は再発9例,難治1例で,Ig/TCR Polymerase Chain Reaction Minimal Residual Disease(PCR-MRD)プライマー設計が可能であった7例のうち,BLIN開始前に陽性であった6例中5例が,BLIN 2サイクル後に陰性化した.この7例と設計不可能であった1例の計8例が寛解下で造血細胞移植に進んだ.BLIN投与中のCommon Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) grade 3以上の非血液学的有害事象は発熱のみであった.BLINは再発・難治例への有用性が高く安全に投与できることが示唆された.