Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
腰椎変性側弯症患者における大腿骨頚部骨密度の左右差と脊柱冠状面アライメントの関連
東 莞爾田辺 博宣荒武 正人藤井 淳平稲葉 裕
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2023 年 14 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

はじめに:腰椎変性側弯症(degenetive lumbar scoliosis:DLS)患者では大腿骨頚部骨密度(bone mineral density;BMD)の非対称性を生じうると考えられる.本研究ではDLS患者における両大腿骨頚部BMD値と脊柱冠状面パラメータの関連を検討した.

対象と方法:50歳以上の女性で,腰椎Cobb角≧20°を有し,かつ神経症状が見られないDLS患者31例を対象とした.EOSを用いて立位全脊柱X線正面像を撮影し脊柱冠状面パラメータを計測した.Dual energy X-ray absorption(DEXA)法を用いて両大腿骨頚部BMD値を測定し大腿骨頚部BMD値の左右比と各脊柱冠状面パラメータとの相関を調査した.

結果:Coronal balanceは大腿骨頚部BMD左右比と有意な相関を認めたが(r=0.501,p=0.004),他のパラメータは相関を認めなかった.

結語:DLS患者では冠状面バランスが偏位すると反対側の大腿骨頚部BMD値が高値を示す傾向があった.偏位の大きい側弯を有する症例では大腿骨頚部BMD値の左右差を念頭に入れるべきである.

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© 2023 Journal of Spine Research編集委員会
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