2019 年 35 巻 2 号 p. 120-123
下肢の運動機能に完全麻痺をもつ脊髄損傷者の使用を想定した長下肢装具は,麻痺状態にある下肢の骨格を活かした体重支持を可能にするために下肢全体を膝伸展位で保持する構造を採るのが一般的である.我々は,従来型の長下肢装具の使用上の制約となる重量や耐久性の問題を炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic,以下,CFRP)の活用により改善し,さらに動力を用いることなく歩行遊脚相の膝関節屈曲-伸展動作を実現することを目標として,新規装具開発を行っている.本稿では,開発装具のコンセプトと設計仕様,これまで試作してきたプロトタイプについて概説し,今後の展望について述べる.