2023 年 39 巻 1 号 p. 47-52
ひずみゲージ内蔵人工爪装置を用いて,掻破動作を運動学的観点から多角的に分析した.健常成人ボランティア4名(男性3名,女性1名)の示指~小指に人工爪装置を装着して掻破動作を行った.得られた波形から10秒間の振動数,振幅,積分値を算出し,4指別,強度別,身体の部位(前腕・大腿・上腕・頭部),着衣の有無で統計学的に比較,検討した.4指別比較では,振動数に差はなかったが示指と中指の振幅と積分値が高かった.掻破強度が増すに従って振幅と全振幅が増加した.部位別では,頭部を掻破する際に振動数が高く,全振幅が低い傾向を示した.着衣の上から掻破すると全ての項目が高値を示した.人工爪装置は掻破動作を定量化できることから,掻痒感の客観的評価法に応用できる可能性がある.