日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechocystis sp. PCC 6803における光化学系I遺伝子psaABpsaDのプロモーター構造比較
村松 昌幸*日原 由香子
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p. 070

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抄録
シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803において、光化学系I(系I)遺伝子群の転写は弱光下で活性化、強光下で抑制される。系I遺伝子はゲノム上に分散して存在しているにも関わらず、その応答は統一的かつ鋭敏である。我々は系I遺伝子群の発現を統一的に制御する機構が存在するのではないかと考え、反応サブユニットをコードするpsaAB、および小サブユニットの一つをコードするpsaDのプロモーター構造比較を行った。その結果、両遺伝子の共通点として、二つのプロモーターを保持すること、いずれのプロモーターもコア部分のみだと、強光下で徐々に活性が増加していくこと、が明らかになった。各プロモーターは、コア部分に正あるいは負の制御領域が付加することで、それぞれ特徴的な調節パターンが付与されているが、それらの制御領域にはプロモーター間の共通性は見出せなかった。具体的には、psaABの上流プロモーターは弱光下で正の調節を受け、下流プロモーターは強光下で負の調節を受けることにより、光強度変化に対する応答性が実現されていた。psaDの場合、上流プロモーターの活性は非常に低く、光応答性は認められなかった。下流プロモーターはpsaAの上流プロモーターと同様、弱光下で正の制御を受けることにより、光応答性が付与されていたが、psaABpsaDの正の制御領域間で特に相同な配列は検出されなかった。
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© 2005 日本植物生理学会
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