日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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可溶性UDP-グルコース4-エピメラーゼによるUDP-L-アラビノースとUDP-キシロースの変換反応
*小竹 敬久高場 雅人高田 遼平山口 大介折田 隆広金子 哲円谷 陽一
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p. 0272

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抄録
植物のUDP-糖新生経路ではUDP-グルコース(UDP-Glc)がUDP-グルクロン酸を経てUDP-キシロース(UDP-Xyl)に変換され、ゴルジ体内腔でさらにUDP-L-アラビノース(UDP-L-Ara)へと変換される。今回我々は、トウミョウの可溶性画分よりUDP-Xyl 4-エピメラーゼを各種クロマトグラフィーにより単離した。N末のアミノ酸配列からこの酵素はUDP-Glc 4-エピメラーゼ遺伝子、PsGalE、によってコードされることが明らかになった。大腸菌で発現した組換えPsGalE (rPsGalE)は、UDP-Glc 4-エピメラーゼ活性とUDP-Xyl 4-エピメラーゼ活性を示した。rPsGalEのUDP-Glc、UDP-ガラクトース、UDP-Xyl、UDP-L-Araに対するKm値はそれぞれ、0.21 mM,0.21 mM,0.17 mM, 0.14 mMであり、PsGalEはUDP-糖に対して幅広い基質特性を持つUDP-Glc 4-エピメラーゼであることが示唆された。他の植物にもPsGalEのホモログが広く存在しており、高等植物では幅広い基質特異性を持つUDP-Glc 4-エピメラーゼにより細胞質でUDP-XylとUDP-L-Araの変換が起こると予想される。
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© 2008 日本植物生理学会
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