日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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緑色硫黄細菌のChl aPD合成における長鎖アルコールの還元過程の研究
*宮郷 正平原田 二朗溝口 正井上 和仁福山 恵一民秋 均大岡 宏造
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p. 0521

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抄録
緑色硫黄細菌Chlorobium(Chl.) tepidumはバクテリオクロロフィル(BChl) cF、BChl aP、およびクロロフィル(Chl) aPDの3種類の色素をもつ、酸素非発生型光合成生物である。このうちChl aPDは、光合成反応中心内において一次電子受容体およびアクセサリー色素として機能する。Chl aPDは酸素発生型光合成生物がもつChl aPと同様の環構造を有するが、C-17位に結合した側鎖はphytolと還元状態の異なるΔ2,6-phytadienolである。Phytolの前躯体はgeranylgeraniolであり、その二重結合が順番に還元されることが分かっているが、Δ2,6-phytadienolが合成される反応過程は不明である。Chl. tepidumのゲノム上には、geranylgeraniolの還元に関与すると推測される遺伝子CT1232CT2256が見出されている。本研究ではΔ2,6-phytadienolの生合成経路を明らかにする目的で、これらの遺伝子破壊株を作製した。その結果、ΔCT1232株の色素組成には変化は見いだせなかったが、ΔCT2256株はBChl aGGとChl aGGが蓄積していることが判明した。本発表では、geranylgeraniolからphytolとΔ2,6-phytadienolが合成される還元過程に関して議論する。
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© 2008 日本植物生理学会
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