2025 年 41 巻 2 号 p. 92-101
小児の外科的肝疾患である腫瘍,外傷,血管・門脈異常症について画像診断を中心に総説した.肝腫瘍は年齢やAFP値と併せたUS,CT,MRIを用いた多面的評価が必要で,肝芽腫・小児肝細胞癌ではPRETEXT分類に基づいて病期診断と治療方針を決定する.肝外傷ではFASTによる初期評価と造影CTが重症度判定に不可欠で,PECARNルールにより不要なCT回避が推奨される.肝血管・門脈異常症では,先天性門脈体循環シャント,肝外門脈閉塞症,静脈管開存症の正確な診断が重要で,US,CT,MRI,血管造影が治療方針決定に寄与する.