抄録
大きな流星体が月面に高速度で衝突して発光する「月面衝突閃光」の観測から、流星体の運動エネルギーの約0.2 %が可視光エネルギーとして放射されると見積もられている(変換効率)。この値は室内衝突実験で得られる値より一桁以上大きい。理由の一つとして、月面衝突と実験での衝突速度の一桁以上の違いが考えられる。一方、前者では衝突体がおそらく多孔質であることも、変換効率の違いに影響している可能性がある。ここでは、多孔質衝突体では変換効率が高くなることを簡単な一次元衝突モデルで示す。この問題を実験的に検証する室内実験の準備状況についても発表する。