抄録
急性呼吸不全に対するNPPVのエビデンスが確立された病態は,COPD急性増悪・心原性肺水腫・免疫不全患者の呼吸不全などに限定される.しかし,NPPVの普及に伴い,それ以外の種々の病態にもしばしばNPPVは用いられており,その有用性が実感される場合も少なくない.これらについて,その経験や方法を幅広く共有し,各施設の知識や経験に還元することが,さらなるNPPV療法の普及に重要と考えられる.本報告では,NPPVのエビデンスがまだ少ない領域として,間質性肺炎の急性増悪におけるNPPVの役割,NPPVと鎮静の併用の是非とその方法,肝移植術後におけるNPPVの使用経験などを紹介する.