2014 年 24 巻 2 号 p. 192-196
ICU患者のアウトカムは,従来の救命を優先する評価から患者のQOLやADLの維持といった満足度を優先する評価に変化しつつある.それに伴い医原性合併症を減らす動きが盛んになり,いくつかのケアを組み合わせたバンドル・アプローチが導入された.「ABCDEバンドル」は①A;awakening(覚醒),②B;breathing(自発呼吸),③C;coordination(AとBの組み合わせ)and choice of drugs(薬剤選択),④D;delirium monitoring(せん妄モニタリング),⑤E;early mobilization and exercise(早期離床と運動療法)を推奨対策としており,せん妄やICU acquired weaknessの予防効果が期待されている.医師はチームのリーダーとして,ABCDEバンドルの実践でリーダーシップを発揮するなど,積極的な関与が求められる.