日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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シンポジウムIV
ABCDEバンドルの実践
──看護師の立場から──
前田 靖子
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2014 年 24 巻 2 号 p. 197-201

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抄録

医原性リスク低減戦略対策を組み合わせたABCDEバンドルが,近年,医療の質の向上と安全のリスク軽減を期待して導入されつつある.ABCDEバンドルの実施において,医療スタッフ間で共通認識するためには,適切な鎮静モニタリングやせん妄モニタリングに有用であり,かつ,客観的に評価が可能なアセスメントツールが必要である.2007年12月に日本呼吸療法医学会より発表された「人工呼吸中の鎮静のためのガイドライン」において,鎮静スケールのRASSとせん妄の評価のCAM-ICUが推奨されている.今回,76施設の現状調査結果から,RASSについては周知されている現状がうかがえたが,CAM-ICUについては,導入している施設はわずかであった.これまで,早期離床や早期リハビリテーションは看護レベルでもすでに実践され,医療チームで取り組んできている施設は多い.最初に,ABCDEバンドルの認知度を高めることが必要であることが示唆された.

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© 2014 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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