日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
石巻地域COPDネットワーク最重症患者の生きがいに着目したセルフマネジメント支援の検証
両角 和恵利部 なつみ千葉 史阿部 雄介小林 誠一矢内 勝
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2020 年 29 巻 1 号 p. 147-153

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抄録

COPD患者が生きがいをもって生活することは日常生活のQuality of life(以下QOL)維持に役立つと思われるが,そのエビデンスは乏しい.「石巻地域COPDネットワーク(ICON)」では,安定期患者のセルフマネジメント支援として,患者自身の生きがいに着目した長期目標を立案し,それに基づいた目標を作成している.そこでICONに登録された最重症COPD患者のうち,外来に5年間通院継続できた13名を対象に,登録時と5年後のADL・QOL・身体活動性を比較し,生きがいに着目したセルフマネジメント支援の有用性を検証した.対象患者は全員5年間アクションプランが継続できており,COPDに関する情報量が増加していた.ADLは低下していたが,COPD Assessment Test(以下CAT)スコアや1日歩数は保たれていた.以上の結果から,生きがいに着目して長期目標・短期目標(以下アクションプラン)を立案するセルフマネジメント支援はQOLや身体活動性の維持に有用でありCOPD患者教育プログラムとして有効である可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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