COPD患者が生きがいをもって生活することは日常生活のQuality of life(以下QOL)維持に役立つと思われるが,そのエビデンスは乏しい.「石巻地域COPDネットワーク(ICON)」では,安定期患者のセルフマネジメント支援として,患者自身の生きがいに着目した長期目標を立案し,それに基づいた目標を作成している.そこでICONに登録された最重症COPD患者のうち,外来に5年間通院継続できた13名を対象に,登録時と5年後のADL・QOL・身体活動性を比較し,生きがいに着目したセルフマネジメント支援の有用性を検証した.対象患者は全員5年間アクションプランが継続できており,COPDに関する情報量が増加していた.ADLは低下していたが,COPD Assessment Test(以下CAT)スコアや1日歩数は保たれていた.以上の結果から,生きがいに着目して長期目標・短期目標(以下アクションプラン)を立案するセルフマネジメント支援はQOLや身体活動性の維持に有用でありCOPD患者教育プログラムとして有効である可能性が示唆された.