2025 年 34 巻 2 号 p. 107-111
遠隔モニタリングは情報ネットワークへの接続性が確保されたIoT医療機器から得られたデータをサーバに蓄積し,これを医療者が閲覧することによって行われる新しい医療である.本研究では,遠隔モニタリングの仕組みと次世代医療基盤法の枠組みを活用することで,医療者の入力負担とレポジトリ維持の費用負担を減じて,持続性のあるレポジトリを実現する手法を提案し,CPAP遠隔モニタリングの仕組み上で実現した.具体的には,サーバでAPI(Application Program Interface)を提供しているベンダーからはAPIを活用して,提供していないベンダーからはRPA(Robotic Process Automation)ソフトウエアを用いてデータを収集する仕組みを構築し,次世代医療基盤法で求められる認定事業者との接続要件を満たしたサーバ空間上に実装した.運用の結果,3ヶ月で述べ44,898日分のデータを,医療者に殆ど入力負荷をかけることなく収集することができた.