日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
Ⅱ型慢性呼吸不全の呼吸調節系の検討:ラットによる検討
熊谷 美穂近藤 哲理太田 保世
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キーワード: 高CO2血症, 急性増悪, 低酸素
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1997 年 7 巻 2 号 p. 128-131

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抄録

Ⅱ型慢性呼吸不全の呼吸調節系の検討目的で,ラットを5%CO2 と10%CO2(PaCO2,46.7および73.0 Torr)で12~18週間飼育した.5%CO2第0週の換気量は空気呼吸時の約2.1倍で,第2週以後も曝露前空気呼吸時より高値を維持した.10%CO2長期曝露での換気量は第6,12週でも高値を保ち,第18週で有意に低下した.急性増悪のシュミレーションとして10%CO2長期曝露ラットに低酸素(6%O2+10%CO2)を負荷すると,換気量は約20%増加し,高濃度酸素(90%O2+10%CO2)投与で約20%低下したが,曝露前空気呼吸時の約1.8倍であった.慢性CO2血症に対して呼吸中枢のCO2感受性の低下はわずかであると結論した.

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© 1997 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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