2019 年 44 巻 3 号 p. 391-397
はじめに:頸部内頸動脈遠位部は体表から距離があり,通常の頸動脈超音波検査法では観察が困難となる場合が多い.今回我々は,血管内治療中に頸部内頸動脈遠位部に内膜損傷を起こし,超音波検査(B-Flow)で可動性flapを検出した症例を経験したので報告する.
症例:60代,女性.前交通動脈の動脈瘤に対する血管内治療中に,左頸部内頸動脈遠位部に限局性の解離を生じた.術後2週間後のfollow upの血管造影では,限局性の解離は残存したままであった.超音波検査ではマイクロコンベックス型プローブを使用し同部をB-Flowで観察したところ,解離部の血管壁が高輝度に点滅し可動性病変を示唆する“B-flow winker”を認めた.頸部内頸動脈遠位部の観察には,経口腔頸部超音波検査法(transoral carotid ultrasonography: TOCU)などの比較的侵襲のある検査が必要であるが,マイクロコンベックス型プローブとB-Flowを併用することで,解離部のflapの可動性を捉えることが可能であった.B-flow winkerは,病変の同定やflapの可動性の観察に,極めて有用性の高いサインである.