抄録
子どもは遊びの天才であると言いながら、私たち大人はどこか遊びに制限を加え、遊び方さえも学ばせようとしていないだろうか。子どもにとっては完成された玩具より、自らが創造しうる余地が残された「素材」にこそ魅力があるのかもしれない。本研究では子どもの持つ遊びを創造する力に着目し、子ども自身が遊びを発展させる遊び道具を提案する。これは太陽の光や風、水や音などの屋外の要素を遊びに取り入れ、子ども自身が外で遊びながら遊び方を発見、創造していく「遊びの素」である。それら「遊びの素」を集め、テーマ別に本のような形状にまとめたものが、外遊び本「あそびのたね」である。「あそびのたね」は大人が子どもに絵本を読み聞かせることと逆に、子どもが遊びの中で発見することを大人に伝えることで、子どもへの理解を深めることができると考える。「あそびのたね」は程良く未完成であることから子どもが自然と創意工夫を発揮することも可能である。子どもを取り巻く問題はまずその中心にいる子どもを知り、考えることが重要である。