抄録
本研究は,これまで日本から発信された「かわいい」が,どのように他の文化圏でキャッチアップされ,新たな解釈が加えられながら根付いていくかを,ファッションを対象に調査してきた。本報では、その延長線上に,文具とクルマのデザインへと対象を拡張し,対象の特性との関係から,その「かわいい」変化の構造を明らかにしようとするものである。被験者は20から25歳までの日本人とマレーシア人を対象に「かわいさ」の種類を類似度として示してもらう調査を行い、多次元尺度構成法で解析した。この結果,文房具では3つの 方向性が把握できた。それが、1) 新しいトレンド 2) 今存在しているトレンドの一つのタイプ 3) 他のトレンドと組合せである。クルマでは 1) と3) が主な方向性となることが示唆された。