抄録
本研究の目的は「ユーザーにとって魅力的な体験」をデザインするために、ストーリーを活用した発想手法を提案することである。
ストーリーを活用したデザインプロセスの予備実験の結果から「ストーリーを要素ごとに分担して集めて発想する方法」と「ストーリーの断片を構造化してパターンに当てはめて発想する方法」を仮説した。
「ストーリーを要素ごとに分担して集めて発想する方法」は、ストーリーを語る人にインタビューをする際、参加者の中で集めるストーリーの要素(物理的、情緒的、知覚的、歴史的、記憶コンテキストなど)を分担することで、質問の観点が明確になり効率的にストーリーの断片を集めることができる。また、集めたストーリーの断片をグルーピングする際、要素が混在することがなく、ストーリーを紡いで発想がしやすい。
「ストーリーの断片を構造化してパターンに当てはめて発想する方法」は、ストーリーの要素(物理的、情緒的、知覚的、歴史的、記憶コンテキストなど)ごとに分類したストーリーの断片を規範的構造のようなストーリーのパターンに当てはめていく際、時間軸に沿って要素を構造化して組み合わせを考えることで、発想しやすい。