抄録
位置情報やビッグデータ技術の発展などを背景に「人流」と呼ばれる、人の移動行動を追ったデータを扱う技術に注目が集まっている。本研究の目的は、一般個人単位の、普段の人流データを有効活用するために、移動行動のモデル化を行う。ここでいうモデルとは、人はどんな時にどんな行動を取るのかという、移動者の状態と行動の対応関係を指す。このモデルによって、移動者の行動から、状態を推測することを可能とする。モデル化にあたって駅周辺移動者の行動観察を基に、人流データを収集した。収集したデータ基に移動行動パターンのグルーピングを行った結果、様々な移動者に共通して行われる行動パターンを発見し、その区分単位を移動モードと名付けた。移動モードは「直行」、「停止」、「経路探索」、「目的探索」、の4種類が発見された。また、移動モード以外の移動行動を変化させる要因として、どれだけ急いでるかを表す切迫度も発見された。人は常にこの移動モード、切迫度を切替えながら移動しているとしてモデル化したものが、移動モードの遷移モデルである。このモデル通して動線を見ることで、人流データから個人の行動に関するより価値ある情報を取り出せる。