2019年後半Covid-19の影響により私たちの授業は、二者以上が同じ空間と時間を共有しながら行う対面形式の授業から、時間や場所を共有しないという選択も可能なオンライン・非対面形式の授業になった。そこでは人とひとの間合いをミュートにすることも可能である。間合いの感得が必要なくなったため、視覚資料の授受が学びの中心となり、周りの人柄や生き方を感じる機会も少なくなった。そもそも、デザインというのはその活動そのものが他者を思いはかることから新たなモノやサービスを形づくる性質をもっている。つまりはデザイン実践者にとって間合いを感得することは自身の創造的な営みに不可欠な能力と言える。それにより、周りの人の哲学や生き方に自己を重ねることから、学びたいことの専門性を探究することが難しくなったといえる。筆者はこのような状況変化をきっかけに「間合い」を取り上げ、オンラインにおける間合いを形づくるラジオワークショップのデザイン実践を展開した。本研究では一連の実践を通じて、オンラインで間合いを意識しながらコミュニケーションを形づくるデザインの知恵と技を明らかにする。