抄録
最近の日本の小学校の理科授業では, 学習者一人ひとりの違いを尊重する傾向が強まりつつあり, このことは, 結果として学習者, 授業者, 双方の活動空間を物理的にも精神的にも著しく拡大するとともに, 従来ならば軽視ないしは無視されがちであった極近距離での雑談的なコミュニケーションが少なくとも研究対象としては重要との認識を拡大させている. ここに至る一連の取り組みにおいて, 筆者らはそうした今日の小学校理科授業の特質を勘案しつつ, 授業研究は後の授業の設計や改善に有益な知見が得られてこそ意義をもつとの立場から, 従前よりなされてきた授業研究法を再検討し, 必要な改善や新たな手法の開発を試みた.