抄録
本稿では, TIMSS1999数学授業ビデオ研究の数学授業で扱われている数学的内容について, 4点-(1)数学の内容, (2)問題の複雑さ, (3)数学的推論, (4)問題の関連性-に着目した分析結果を述べる。分析結果から, 日本では, 関連した問題を解くことによって, 数学的アイデアが高まっていくよう意図されていることが示唆される。一方アメリカ合衆国では, 問題間の関連が強調されず, 各問題が孤立して学習されていることが伺える。それ以外の5か国では, 繰り返しの問題を通して学習の定着が強調されていることが伺える。また, 日本と香港は数学得点が国際的にも高い国であるが, 扱われている数学的内容に類似点はみられなかった。