抄録
20世紀から21世紀への変り目で、わが国の学校教育の枠組みが大きく転換した。この転換は、今後の学校数学の展開にとっては望ましい方向と言えるが。課題は、この大きな転換に現行の枠組みで適切に対応できるかどうかである。このような問題意識から、「小学校高学年以降へのグレード制の導入」、「学校数学における小・中・高等学校の一貫性」、「学校数学の内容のを記述枠組みの改善」、「テクノロジーの活用を視野に入れた新しいコースの開発」、「義務教育で取り上げる学校数学の程度・範囲とその根拠の明確化」及び「高等学校段階における多様な生徒への対応を可能にする科目構成」を中心に学校数学の抱える課題とその解決または改善のための提言をする。