抄録
週1時間の実施となった中学校技術・家庭科技術分野(以後,技術科)では,授業を生徒のものづくり実践の中核と位置づけ,家庭生活,日常生活への転移を意識した授業設計が重要となってきた。そこで,本研究では「技術科の学習内容と生活に関する意識因子」と「学習意欲因子」の関係を,単位時間授業の流れの違いに視点を当てて比較・検証し,ものづくり教育と日常生活との関わりについて検討した。その結果,生活にかかわる学習を意図的に位置づけた授業の方が多くの調査項目において,高い値を示した。また,相関分析からは,「生活を工夫する」項目と「新しい挑戦」項目,「職業への興味」項目と「必要感の理解」項目,「生活中での意味」項目と「必要感の理解」項目において,生活とのかかわりを意識した授業を仕組んだことにより,意欲向上との相関が高まったと考えることができた。