抄録
情報化社会の進展などの社会的背景から,パソコンやインターネット環境の整備が急速に進んだ。だが,情報漏洩防止や個人情報保護などセキュリティーにかかわる諸問題が発生し,無線によるインターネットは停滞気味である。実際,ネットワークを利用した授業では,外部へ接続する必要のないケースが多い。職員室や廊下等にアクセスポイントを置いて校内LANを張り巡らしている学校もあるが,ノートパソコンを持って,グランドや中庭等の屋外でネットワークに接続することは想定しておらず,観察や測定のためにグランドにパソコンやPDA等を持ち出してもネットワークに接続できる環境を整備している学校はほとんどない。そこで,屋外でもネットワークを利用したグループ学習ができるインフラとしてアドホックネットワークの利用を提案し,事例の一つとして,お湯の冷め方の実験による数学的モデリングの事例を示した。