抄録
本研究では,小学校段階の科学技術教育における到達目標に着目したスタンダード準拠評価による実践を行い,到達目標の洗練の度合いを示す評価事例集の開発を第1の研究目的とする。第2は,スタンダード準拠評価により,学習者が身につけた「科学スキル」と「技術スキル」の学習到達状況を検証し,科学教育と技術教育の連携に向けた示唆を得ることである。本研究は,山崎(2006)の開発した教育課程基準における「エネルギー変換」の到達目標に着目した。その結果, 1)「エネルギー変換」のレベル2 (小学校3〜4年生)における洗練の度合いを示す評価事例集を開発した, 2)「科学スキル」の到達状況の割合が,「技術スキル」よりも多かったことから,発達段階に即して妥当性・信頼性のある「科学スキル」と「技術スキル」の「スキルの系統表」や,簡単な見通しを持たしたものづくりに関する「学習活動計画」の開発・実践を進める必要性が示唆された。