抄録
18才人口の50%以上が高等教育を受けるユニバーサル期にあって,大学の教育のあり方が根本的に問われている。これに応えるべく各大学においては教育改革が進められているが,その方向性は十分には明確になっていない。本研究においては,学生による授業評価をもとにした教育学部段階での授業の改善を試みてきている。まず,授業が学生たちにとってどのような意味を持つのか,また,授業の内容が教育現場とどのように関連するかなど授業へ参加することの彼らなりの納得感を形成させた上で授業を展開した。そして毎時間の授業評価を受け,その結果を彼らに示した上で改善を図った。授業に対する満足度等の改善は見られるものの,教員からの課題に頼りがちという問題点も浮かび上がった。