抄録
本研究は,J教育大学附属中学校「科学技術科技術分野」における「技術学習能力」に着目したルーブリックを開発し,ポートフォリオ評価法を実践した。その結果,1)生徒同士の相互評価の事前と事後の自己評価得点を比較した結果,事後の自己評価が事前に比較し,2クラスとも平均点が有意に向上した。生徒は,友達からルーブリックに基づく相互評価を受けたことにより,自己有能感や自己満足感を獲得したと推定した,2)「表現・説明学力」のルーブリックに記述されている「強調したい箇所が一目で分かる」項目に,生徒の自己評価と教師評定とで大きなズレが生じていたことから,学習内容の理解の過程を伴っていなければ,「工夫・創造」「オリジナリティ」を表現したり,説明することが困難であることが推察された。