抄録
「科学技術リテラシー」などと称される能力の育成は,主に理数教育の立場から論じられているため,関連する教育のひとつである技術教育の必要性はひろく理解されていない。このことから,統合カリキュラムなどで扱われる技術教育が,理数教育の学習内容を発現させる学習活動としてのものづくりに限定されるなど,その意義と役割の誤った理解を招くことが懸念されている。「科学技術リテラシー」の育成にあたっては,児童・生徒の人格の形成や発達を基軸におき,技術教育と理数教育における双方の意義や役割を再度精査して,バランスのとれた関係を模索する必要があると思われる。