日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
セッションID: 1A2-C2
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1A2-C2 幼児対象の科学絵本の実態と活用の可能性(科学の世界へ誘う絵本の可能性を探る,課題研究,次世代の科学力を育てる : 社会とのグラウンディグを進展させるために)
北野 幸子田中 孝尚中川 茜
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抄録
幼児期の科学教育の充実を図る上で、科学絵本の活用が有効であると言われている。幼児の興味関心に応じた絵本を選択し、読み聞かせることは、科学的探求へのきっかけとなる。幼児の科学的探求を促す教材として科学絵本を活用するためには、その充実が不可欠であると考える。本研究では、幼児対象の科学絵本が、どのような分野を扱っているのか明らかにするため,文献や絵本ポータルサイトを参考に,乳幼児対象の「科学絵本」337冊を対象として,ハーレン・リプキン(2007)が提示した13の科学分野に分類し分析した。その結果,「動物」が51.6%,「植物」が19.9%であり、それらだけで上位70%を占めていた。「空気」「岩石・鉱物」「重力」「磁石」はわずか1%以下であり、しかも、翻訳本が多いことがあきらかになった。また、これを踏まえて、「動物」「植物」を除いた科学絵本の読み聞かせを試行的に行った。幼稚園で5歳児クラスを対象に好きな遊び場面を観察し、そこからみとった幼児の探求心に合わせて科学絵本を選択し、読み聞かせを行った。幼児は「動物」や「植物」以外の内容にも興味を抱いており,絵本を読み聞かせた後には,絵本の内容についての子ども同士の会話や,絵本の内容を実際に試したり,自分なりに考えたりする姿が観察された。これらの結果から,「動物」「植物」以外の分野の絵本の充実が期待され、また子どもの興味関心に応じた絵本選択を行うことの重要性が示唆された。
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© 2012 日本科学教育学会
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