本稿は,永田・小松・中川(2013)による中学校第3学年の領域「図形」における学習の構想うち,「図形の相似」の内容について,授業化の過程で検討した事柄や明らかになった課題を整理しようとするものである。特に,内容が複雑になりがちな(P2,C2) レベルにおける証明の構成とその評価・改善・発展において,多くの子どもが取り組めるような教材の開発とその指導方法に注目した。実践の結果から,取り上げた教材が課題探究として証明することを実現する授業の素材になり得ることが確認できた。また,そのためには教師の意図的な指導の明確化の必要性が示唆された。