本稿では,従来から技術科の「木材」や「金属」等の材料の内容に関して,理科と密接に関連する内容が多い点を踏まえ,教育課程で扱う「材料」の内容について整理するとともに,教科専門分野の動向を取り入れた「材料」教育について報告した。技術科の「材料」教育の内容には,材料の特徴と利用方法について学習する内容等が含まれており,教科書の内容にも実験・観察等を通して「材料」を学ぶ内容が取り上げられていた。本論では,これらの内容のあり方が,技術科の時代の要請の影響を受けやすい性質を有していることを踏まえ,最新の教科専門分野の動向を取り入れた「材料」教育の本質的な内容として,「構造」「性質」「性能」「加工性」等の要素について抽出した。