本稿では,CBT の数学の問題においてインタラクティブな動的オブジェクトがどのような働きをするか,またそれによってどのような数学的思考力が評価できるかに関する示唆を得ることを目的とする。開発した試作問題の動的オブジェクトには,数学的問題解決過程に照らすと,その役割に応じて「数学化」「解決の構想・見通し」「問題の解決」の3タイプがあった。作問において,動的オブジェクトが数学的問題解決過程において担う役割と,評価したい数学的思考力との関係を一層明確化することで,数学科におけるCBT の有益性は高まることが期待される。