本研究は, 高等学校における理科教育と工業科教育の関連について,項目「プラスチック」に焦点をあてて,「化学」と「工業化学」の教科書における取り扱い内容について比較,分析した.その結果,「化学」と「工業化学」の教科書で取り扱われる物質は重複しているものが多いが,「化学」では「プラスチック」を「物質」として捉え,「合成・構造・性質」といった科学的概念と化合物の用途を中心として,「工業化学」では「プラスチック」を「高分子材料」として捉え,その「性質・用途・製造」が中心として取り扱われていることが明らかとなった.これは,理科教育と工業科教育では,教科の目標が違うために生起していると考えることができる.