主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
本稿の目的は,教師による非認知能力の評価の傾向について,その特徴を明らかにすることである。そのために,数学教育の内容・活動に固有な非認知能力に対する教師の評価に着目し,媒介分析を行った.媒介分析をするに当たっては,「関心・意欲・態度」の5段階の評点と,総合的な認知能力についての5段階の評点,そして,探索的因子分析に基づく重回帰モデルから生成した態度要因の3つの変数を使用した.その結果,教師による非認知能力の評価には,評価の対象を内容・領域に特化することによって,もしくは,子どもと接する時間が増えるにともなって,子どもの行動や態度から非認知能力を評価する傾向が強まり,認知能力に対する評価を介して非認知能力を評価する傾向が弱まるという特徴があることが分かった.この特徴を精緻に分析することや,他の領域あるいは他の校種でも同様の傾向があるのかなどを調べることが今後の主要な課題である.