日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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OECDグローバル・ティーチング・インサイトにおける日本の調査結果の概要
*長谷川 仁子松原 憲治大浦 絢子
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抄録

「OECD グローバル・ティーチング・インサイト(GTI):授業ビデオ研究」の調査結果を中心に報告する.GTIでは,数学の授業ビデオの分析により,教員の指導実践や生徒の学習成果の関係をより客観的なエビデンスを基に検討することを目的とした.分析コードは,授業運営,社会的・情緒的支援,対話(談話),教科内容の質,生徒の認知的取り組み,生徒の理解に対する評価と対応の6つの指導実践の領域で構成され,指導実践の質が数値化された.GTIの調査結果から,K-S-T(日本)の64%の授業では,比較的高度な問いである,要約すること,規則性・手順・公式の適用を求める問いや,分析の問いに力点が置かれる傾向が見られたことや,K-S-T(日本)の55%の授業では,教員と生徒は考えや手続きがなぜそうであるかを比較的詳細に数学的に深く説明していることなどの特徴が見られた.今後は授業ビデオ研究の手法の活用が望まれる.

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