主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
2020年11月にOECDグローバル・ティーチング・インサイト(GTI)の調査結果が公表された.GTIは各国の数学の授業の文化的な特徴を明らかにしてきたが,そこで用いられた分析枠組みの2次利用もされるようになってきている.そこで本稿では,GTIの分析枠組みを各種学校の研修へ援用する際の留意点を導出することを目的とする.分析上の解釈が困難な構成要素(component)として,「はっきりとした規則性(パターン),一般化」と「認知面での要求が高い教科内容への取り組み」を挙げた.前者は「少なくとも2つの例を扱う」ということが数学教育研究における一般化と異なること,後者はその観点の多さが分析上の解釈を困難にしていることを明らかにした.また,分析枠組みそのものを援用するにあたっての留意点として,「エビデンスを基に議論することの重要性」と「授業を数値化することに対する解釈」の2点を指摘した.