主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第46回年会
回次: 46
開催地: 愛知教育大学
開催日: 2022/09/16 - 2022/09/18
本研究では,2015年以降に発生した理科実験事故事例を調査し,最新の理科実験事故の傾向を検討した.その結果,4年生の「金属,水,空気と温度」の単元における事故事例が多く発生していることが明らかになった.内訳としては,アルコールランプに起因する事故が目立ち,実験操作に不慣れな4年生児童にとっては,難関な単元であると考えられる.また,基本統計と日本の統計を基に算出した,1人あたりの年間事故発生率は,偶然として無視できる割合(許容危険率)よりも依然として高くなっており,引き続き安全性の向上が求められる状態にあることが分かった. また,事故事例の多い6つの単元を抽出して教科書比較を行った結果,「金属,水,空気と温度」の単元の実験数が多かった.しかし,安全に配慮した記述は,「水溶液の性質」が多い傾向にあった.