主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
著者らはこれまで教員の長時間労働問題が教職を目指す学生に与える影響を調査してきた(海老崎ら,2021).その中で,理科においては長時間労働により準備や後片付け等に時間が掛かる観察・実験が間引かれる恐れがあることを指摘した.また,学習系統図を用い小学校から高校までの理科の学習内容を振り返り,それぞれの校種での理科好嫌度を調査したが,小・中・高校と上がるごとに好嫌度が有意に低下する(理科が嫌いになる)ことがわかった(海老崎,2023).数年後に小学校教員として教育現場に出る学生が観察・実験の経験が乏しく,また,理科好きでない場合,観察・実験を含む理科授業の質の低下および児童に与える負の影響があるのではないかと考えた.本研究は,これらの対策として大学の教職課程必修科目において,できるだけ多くの観察・実験を経験させ,理科好嫌度の改善を試みた実践およびその評価についての報告である.