主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本稿では,数学的問題設定に基づく授業設計の基本枠組み(辻山ほか,2025)を援用し,小学校算数科の「分数の加法」に関する授業を構想・実践した.設計した授業は,次の4つの活動から構成した.活動1では,教師が出発点の問題「3/10+2/10の計算方法を考えよう」を提示し,児童はその解決の方法を考察した.次に活動2では,児童が分数の加法の問題を自分で設定し,活動3では児童が各自で設定した問題の解決を行った.最後に活動4では,児童が設定した問題の中に出発点の問題と同じように解決できる問題(同分母分数)を説明した.その後,同じようには解決できない問題(異分母分数)を提示することで,分数の加法では,分母に着目することが必要であることを確認した.このように,児童が数学的問題設定に取り組むことによって,分数の加法の本質的な条件「被加数と加数の単位分数が同一であること」を意識する可能性を事例的に確認した.