土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
砂質土と団粒土に対する水分移動特性関数の検討
坂井 勝取出 伸夫
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2007 年 107 巻 p. 63-77

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抄録
van Genuchten (VG)モデルを修正した水分移動特性関数であるFayerモデル,Durnerモデルについて,砂質土および団粒土への適用性を,特に不飽和透水係数に注目して検討した。鳥取砂丘砂,熊本黒ボク土に対して,蒸発法によるモデルのパラメータの推定を行なった。Fayerモデルは砂丘砂の間隙保水と表面吸着水,Durnerモデルは黒ボク土の団粒間と団粒内の異なる保水形態を表現する。これにより,水分量によって異なる2つの透水形態を反映し,VGモデルに比べてより現実的な不飽和透水係数を示した。Mualemモデルは,水分保持曲線に対して適合性の高いモデルを用い,さらに間隙結合係数lを推定することにより,低水分領域も含めた広い圧力範囲の不飽和透水係数を適切に表現できた。信頼度の高い不飽和透水係数を推定するためには,広い圧力範囲に適合する水分保持曲線関数を用いることが重要である。
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© 2007 土壌物理学会
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