土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
小型チューブ埋設型土壌ガスモニタリングシステムを用いた農地土壌中CO2ガス濃度変動の検討
加藤 千尋井本 博美西村 拓宮崎 毅
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2013 年 124 巻 p. 25-33

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抄録
土壌中 CO2 濃度変動を検討するため,ガス透過性を有すシリコーンチューブ, NDIR 式 CO2 濃度変換器及びガルバニ電池式 O2 濃度センサを用いた小型の土壌ガス濃度測定システムを作成した.本研究では,シリコーンチューブの肉厚を従来の同様のシステムの 4 mmから 0.5 mmに薄くし,その際,プラスチックメッシュパイプとステンレス製網円筒を芯として埋設時の土被り圧に耐える強度を確保した。その結果,大気中でチューブ内外の CO2 濃度が 95 %濃度平衡に達する時間を,従来の 1175 分から 104 分に短縮できた.新システムを用い裸地農地土壌中 CO2 濃度連続測定を年間を通して行ったところ,降雨時に急激な CO2 濃度上昇が観察された.同時に O2 濃度低下が見られたため,降雨に対する CO2 濃度の応答は,微生物呼吸が寄与していると考えられる.
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© 2013 土壌物理学会
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