抄録
水田転換畑ではほ場の大区画化· 大規模化およびトラクターの大型化が急速にすすみ,必要に応じて営農的な排水対策を行いたいというニーズが徐々に増えている.これを行うには事前のほ場診断から対策が必要なほ場を特定し,適切な処方箋を提示することが不可欠である.本稿では広域の土壌物理性診断として,収量ギャップの解析を行うことで土地固有の低収要因を抽出し,対策が必要なほ場を選定することを提案する.また,原位置において「すき床」部分の診断技術を行うために,土壌断面調査,貫入抵抗値の測定,およびその他の補完的な手法を組み合わることを想定し,これらの手法の長所と欠点を考察する.