2019 年 14 巻 1 号 p. 4-11
【目 的】 妊婦や同居家族の喫煙状況や喫煙に対する意識について調査し、喫煙する妊婦に対して効果的に禁煙指導を行うための基礎的な資料とする。
【方 法】 2013~2015年の間に当院に通院した636名の妊婦(平均年齢30.7歳)を対象に、喫煙状況や喫煙に対する意識調査を含む質問表調査を実施した。
【結 果】 妊婦の喫煙率は5.0%で、年代別では10歳代の喫煙率(45.5%)が特に高かった。受動喫煙率は46.2%であった。喫煙妊婦の喫煙ステージは準備期が多かった(51.9%)。夫が喫煙する群の方がしない群に比してKTSND得点は高かった(p<0.01)。禁煙啓発講義後にKTSND得点は低下した(前喫煙、非喫煙:p<0.01、喫煙:p<0.05)。
【考 察】 喫煙状況別のKTSND得点から、夫の喫煙は妊婦の意識に影響して喫煙を容認するように働くと推察された。講義後のKTSND得点の低下より、妊婦に対する啓発教育が有用であることが示された。
【結 論】 妊婦に対する禁煙指導においては家族を含む指導が必要である。