日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
14 巻, 1 号
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巻頭言
原著
  • 山下 健, 鹿庭 寛子, 中村 春樹, 丸山 祥代
    原稿種別: 原著
    2019 年14 巻1 号 p. 4-11
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/07/10
    ジャーナル フリー

    【目 的】 妊婦や同居家族の喫煙状況や喫煙に対する意識について調査し、喫煙する妊婦に対して効果的に禁煙指導を行うための基礎的な資料とする。

    【方 法】 2013~2015年の間に当院に通院した636名の妊婦(平均年齢30.7歳)を対象に、喫煙状況や喫煙に対する意識調査を含む質問表調査を実施した。

    【結 果】 妊婦の喫煙率は5.0%で、年代別では10歳代の喫煙率(45.5%)が特に高かった。受動喫煙率は46.2%であった。喫煙妊婦の喫煙ステージは準備期が多かった(51.9%)。夫が喫煙する群の方がしない群に比してKTSND得点は高かった(p<0.01)。禁煙啓発講義後にKTSND得点は低下した(前喫煙、非喫煙:p<0.01、喫煙:p<0.05)。

    【考 察】 喫煙状況別のKTSND得点から、夫の喫煙は妊婦の意識に影響して喫煙を容認するように働くと推察された。講義後のKTSND得点の低下より、妊婦に対する啓発教育が有用であることが示された。

    【結 論】 妊婦に対する禁煙指導においては家族を含む指導が必要である。

原著
  • 正木 克宜, 仲地 一郎, 井上 真郷, 福永 興壱
    原稿種別: 原著
    2019 年14 巻1 号 p. 12-20
    発行日: 2019/03/31
    公開日: 2019/07/10
    ジャーナル フリー

    【目 的】 ニコチン依存症教育講義が大学生・看護学生の社会的ニコチン依存度に与える効果を定量的に評価する。

    【方 法】 早稲田大学「こころとからだの健康」選択学生と関東地方の看護学校学生に対して授業形式でのニコチン依存症教育講義を単回行い、ファーガストロームニコチン依存度テスト(FTND)および講義前後の加濃式社会的ニコチン依存度調査票(KTSND)を自己記入式アンケートで集計した。

    【結 果】 講義前と講義後のKTSNDは早稲田大学学生(212人、男性58.0%)の現喫煙者(14人)では17.1±4.2 (平均値±標準偏差)→ 11.4±5.1、同過去喫煙者(13人)では17.6±4.6 → 12.0±4.1、同非喫煙者(185人)では12.7±5.1 → 8.0±4.6、看護学生(33人。うち男性2人。現喫煙者1人、過去喫煙者1人)では11.1±4.9→6.6±4.0へ減少した(いずれもp<0.0001)。現喫煙者15人のFTNDの平均値は1.1であった。

    【考 察】 講義により喫煙状況や集団の性質によらずKTSNDが約5点減少した。身体的ニコチン依存形成以前の防煙教育の必要性が示唆された。

    【結 論】 身体的ニコチン依存形成以前の学生に対して依存症教育講義を行うことで、社会的ニコチン依存度が減少した。

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