抄録
近年提案されている街区型環境未来都市では、都市活動に加えて、空間移動の低炭素化を目指している。そこで、本研究では、街区型環境未来都市の道路交通に関して、電気自動車(EV)を含む交通運用を考える。ここでは、特にEVの加速性能に着目し、EV普及による道路交通流へのインパクトを算定する。このとき、二酸化炭素排出量を算定可能な道路交通シミュレーションを導入する。個別EVの走行状態に基づく、街区ネットワークの交通状態を算定した。この結果、EVの普及による道路交通の時間短縮効果が算定された。また、将来的な道路交通運用として、街区内のEV専用ゾーンを想定して環境影響評価を試みた。これより街区単位の交通運用として、環境負荷・道路交通状態の両面から有効性が検証された。